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ディーゼル車とガソリン車との違い、メリット・デメリットを解説
「ディーゼル」と聞くとどんなイメージを持ちますか?「排気ガスが黒い」「うるさい」「振動が大きい」等、もしかしたマイナスなイメージが大きいかもしれませんが、そのイメージもしかしたら少し古いかも…。
「クリーンディーゼルエンジン」は今までのディーゼルエンジンとは違う特性がありますので、メンテナンス方法を含め詳しくご説明します。
目次
ディーゼル車の特徴
まず、ディーゼル車の特徴について、解説します。ディーゼルエンジンはガソリン車のように点火プラグを使用しません。ガソリン車の圧縮比は10前後ですが、ディーゼルエンジンは圧縮比が18前後と非常に高く、圧縮によってシリンダ内が高温になり、その高温となった空気に噴射ポンプによってシリンダ内に燃料を送り込むことによって自然着火します。
ディーゼル車は、騒音や振動が多く、排気ガスで大気を汚染するといった観点から乗用車では敬遠されてきましたが、近年では環境への影響を改善したクリーンディーゼルエンジンが開発され、海外はもとより国内でもディーゼルエンジンを搭載したモデルが続々ラインナップされています。
クリーンディーゼルとは
クリーンディーゼル車とは
2003年のディーゼル車規制条例を受けて誕生したクリーンディーゼル車(CDV:Clean Diesel Vehicle)は、粒子状物質や窒素酸化物(NOx)の排出量が少ないエンジンを搭載しています。
大気汚染物質低減対策として、燃料噴射時間の適正化や触媒の使用による汚染物質の酸化・還元DPF(Diesel Particulate Filter)などが行われています。このことから、クリーンディーゼルエンジン搭載モデルは、地球環境の環境保護に配慮した次世代自動車であるいえます。
クリーンディーゼル車(DPF付車)のメンテナンスについて
DPF装置付きのディーゼル車の場合、フィルターの定期的なメンテナンスが必要になります。ディーゼルエンジンはどうしてもススが出やすいという構造上の問題があり、近距離走行が多いと不具合が発生しやすくなります。
燃え切らないためにススが発生し、DPFフィルターが目詰まりを起こす原因となります。このススを取り除くための定期的なメンテナンスが必要です。
尿素SCR触媒を装着している車両では、走行距離に応じて定期的に尿素水(アドブルーという)の補給が必要となります。短距離を繰り返すような走りが多いと特に不具合が起こりやすく、もし不具合が起きてしまったら専門業者に見てもらう必要があります。
ディーゼル車とガソリン車の違い
ディーゼル車とガソリン車の最大の違いは、燃料です。ガソリン車の燃料はガソリンですが、ディーゼル車の燃料は軽油です。
ガソリンエンジンは、ピストンの下死点時に吸気弁より空気とガソリンの混合気を吸入し圧縮しながら上死点にきたところでスパークプラグによって着火します。
その爆発(これを燃焼という)によってピストンが下へ押し戻され、排気弁によって排ガスは放出されます。この作業を高速で繰り返すのがガソリンエンジンで大型車には不向きなエンジンで、主に乗用車でよく使われている機構です。
ディーゼルエンジンは、基本的な仕組みそのものはガソリン車と大きく変わりませんが、下死点で吸入されるのは空気のみで、ガソリン車より高い圧縮比により、シリンダ内では数百度といった高い温度になります。
この時に噴射ポンプより軽油がシリンダ内に送り込まれ、シリンダ内では至る所で一気に爆発が起こり、膨張しながらピストンを押し下げます。ディーゼルエンジンは、シリンダの大きさに関係なく一気に爆発的燃焼をするので、排気量を大きくすることが可能で、主に大型バスやトラック等で幅広く使われているエンジンです。
ディーゼル車のメリットとデメリット
ディーゼル車のメリット
ディーゼル車のメリットについては、以下の通りです。
・トルクが太く、エンジンが頑丈
・ガソリン車に比べ燃費が良い
・軽油はガソリンに比べて安いため、燃料代が節約できる
ディーゼルエンジンは高圧縮に耐えられるように設計されているため、点火系の構造もシンプルで壊れにくいです。
また、高回転は苦手ですが、その分太いトルクがあり低回転でもその力が発揮できるような仕組みになっています。
少ない燃料で着火し、エンジン回転も低く抑えられているので燃費が良く、ガソリン車に比べ軽油は燃料代も安いので年間走行距離の多い人ほどメリットがあります。
ディーゼル車のデメリット
一方でディーゼル車には次のようなデメリットがあります。
・ガソリン車に比べ音や振動が大きい
・価格が高い
・同排気量の車と比較すると発進加速や走行性能は劣る
ディーゼルエンジンはガソリン車に比べると、音や振動が大きくなりがちです。デメリットとして、騒音や振動を挙げる人も多いでしょう。
しかし、近年のクリーンディーゼルでは、一昔前のディーゼルエンジンに比べ大幅に音と振動が低減されており、そのようなイメージは払拭されつつあります。
また、車両価格についても、走行距離が多い人ほど燃料代が安く済むので価格差を埋めることは可能です。
また、エンジンパワーもガソリン車の同排気量には劣りますが、ディーゼルターボの進化によってその差は小さなものとなっています。
まとめ
2023年2月現在、クリーンディーゼル車はエコカー減税の対象になっています(エコカー減税は2023年4月末までの予定を3年間延長することが決まりました)。
国内メーカーは乗用車にもクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを数多くラインナップ中です。
特に国内メーカーではマツダが力を入れており、軽自動車とロードスター以外の全てのラインナップにディーゼルエンジンを設定しています。
お車の購入の際はクリーンディーゼル車も選択肢の一つとしてご検討されてはいかがでしょうか。